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インプラント安定指数

オステル測定とはインプラント(フィクスチャー)の安定状態を数値で客観的に示すものです。共振周波数を測定しコンピューター処理します。そしてISQ値として表示されます。高い数値は安定性が高いと言えます。
もともと100%のインプラント治療(オステオインテグレーション・骨結合)を得るために、開発されました。インプラント手術中に安定が良くない時に客観的に予後が思わしくない事を教えてくれる物として、研究されました。

Photo オステル(Osstell)を使うことによって、将来発生するであろう不具合を予測することができます。こうすることによって適切な対処方法をとることができるのです。また、インプラントの安定性と骨の質を測定できます。その結果、インプラントへの機能時期を予測することが可能になりました。
今では、オペ後すぐに歯を装着しても問題がないかどうかを判断するものとしても、評価されています。そして歯を即日に装着できる科学的根拠の一つとしても、用いられるようになってきました。

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インプラントと麻酔

歯科インプラント手術に際しては、患者さんに与える苦痛を最小限にするために、安全で確実な麻酔が必要になります。
全身麻酔が必要なのか、とよく質問されます。
全身麻酔よりも上下の噛み合わせ関係を手術中に確認するためにも、局所麻酔が適切と言えます。インプラント手術の麻酔は、最初に笑気併用静脈内鎮静法を行います。これを行いますと、麻酔をしたことを覚えてない方がほとんどです。

麻酔はまず、表面麻酔を行います。表面麻酔は粘膜面より神経を麻痺させる方法です。表面のみに有効なので、注射の時の痛みを軽減させるものです(麻酔をしたこと自体を覚えている方がほとんどいませんが、念のために)。
インプラント手術の時間は通常1時間以内です(簡単なインプラント手術なら15分以内に終わります)。

麻酔には浸潤麻酔伝達麻酔があります。同じ麻酔液を用いても、それぞれ効いている時間は異なり、浸潤麻酔は2~3時間・伝達麻酔は4~5時間効きます。
表面麻酔を行ったら浸潤麻酔を行います。注射針を浅く刺入して、ゆっくりと麻酔液を注入します。次いで少しずつ深く進めていきます。注入速度もゆっくりと行うことで痛みの軽減となります。麻酔液が十分に浸透すると術中の出血の軽減にも有効です。
次に伝達麻酔を行います。インプラント手術中に麻酔効果が消失し、疼痛が出てきますと、麻酔液を追加しても効果はあまり期待できません。このようなことが起こらないように、伝達麻酔も併用します。

特に下顎の奥歯相当部への麻酔は非常に効きずらいので、毎回併用します。笑気併用静脈内鎮静法を行いますので、処置中の緊張感は持たずに行えます。
全身麻酔とは異なりますので、入院は必要ありません。

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骨移植

骨移植(Bone graft)

インプラント治療をする所の骨が薄くなっているか、低くなっている場合に必要になります。抜歯をして、歯を失いますと少なからず骨の吸収は起こります。ですから正確にはすべての方達に必要な処置になるのですが、現実的にはそこまで行わなくてもインプラント治療が行える方がたくさんいらっしゃいます。ただ、中には骨移植を行わないとインプラント治療が行えない方もいらっしゃいます。
通常はこういった方が骨移植の対象となり、よく相談のうえ処置の有無の決定をいたします。

上顎洞挙上術-サイナスリフト(Sinus lift)

上の奥歯にインプラント行う時に用いる補助的手術です。
非常に骨が少ない時に行うものです。鼻腔の後ろにある上顎洞と呼ばれる空間に骨を造る処置です。時間は15~30分余分にかかります。
またこの処置を行わなかった時と比べると腫れが出やすいです。ただ腫れは非常に個人差がありますので一概には言えません。
上顎洞挙上術-サイナスリフト(Sinus lift)を行った人でも行わなかった人よりも術後楽だったという人も多いからです。

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インプラントと抜歯

抜歯とインプラント埋入手術を同時に行う処置です。患者さんにとって、外科処置を2度に分けずに1度にできるので、喜ばれます。
医学的にも治療期間を短縮し、同時に体への外科的侵襲を軽減できるのです。
1989年にLazzaraの発表した論文では抜歯即時後インプラント埋入の注意点を記載してあります。
・インプラントがしっかりと安定していること(初期固定が良いこと)
・インプラントは軟組織の再生を考慮して2㎜深く埋め込むこと(2㎜根尖側に埋入)
・上皮の侵入を防ぐ(骨の再生するスペースを確保)です。

抜歯すると、歯肉に穴ができます。この穴をどのように閉鎖するかを検討した論文があります。
1994年のLangerの論文で抜歯する歯を削って歯ぐきに覆われるようにする方法を発表しています。1997年Landsbergの論文では、抜歯してできた歯ぐきの穴を口蓋の歯ぐきを移植することを発表しています。

2001年のPaolantonioの論文で、抜歯した空間にインプラントを埋め込んだ時にできる隙間について述べています。この水平的隙間(Horizontal defect)が、抜歯後即時インプラント埋入の問題点のひとつです。この水平的隙間が2㎜以下の場合、骨との結合状態は成熟した骨にインプラントを行ったときと差はないと報告しています。つまり、水平的隙間が2㎜以下なら骨との結合に問題ない事を意味しています。

このようなことから、適切な方法と技術によって抜歯と同時にインプラント手術を行うことは、有効な方法です。勿論、同時に行はない方が良い場合もあります。

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全国の医療費の状況

全国の状況

※平成17年度の国民医療費は33.1兆円であり、平成7年度と比べて6.1兆円、22.9 %の増加となっています。高齢化の進展に伴い、老人医療費も増加し、平成17年度の数値で11.6兆円であり、平成7年度と比べて2.7兆円、30.6%の増加となっています。また、国民医療費の国民所得に対する割合は、平成17年度の数値で9.0%であり、介護保険制度が導入された平成12年度を除き、年々増加しています。

Photo 【国民医療費等の推移】

出典:国民医療費・老人医療事業年報(平成17年度)

国民所得は、平成7年度以前は、内閣府「国民経済計算年報(平成17年版、平成8年度以降は、内閣府」)

「国民経済計算年報(平成19年版)による。」 

 「国民医療費」とは、医療機関等における傷病の治療に要する費用を推計したもので、診療費、調剤費、入院時

食事療養費、訪問看護療養費のほか、健康保険等で支給される移送費などを含む。ただし、健康診断や予防接種、

正常妊娠・分娩などの費用は含まない。 

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オッセオインテグレーション

1950年代までは、金属は軟組織の介在せず骨組織と直接結合することはないという考え方が医学会の常識でした。
1950年代スウェーデンのルンド大学のブローネマルク先生が小動物の骨に顕微鏡を固定して微小循環と組織の治癒について研究を行っていました。
そこで行っていた研究で顕微鏡を固定する素材をチタンに変更したところ、研究後骨からチタンを取り外すことができなくなってしまいました。この偶然の出来事が、オッセオインテグレーションの始まりとなりました。
『オッセオ』が『骨から成る』、『インテグレーション』が『統合』からなる造語です。

オッセオインテグレーションという事が確立されるまでは、体内に挿入されたすべての異物は排除されると考えられていました。
通常、異物が入ってくると人間は上皮と呼ばれる組織で覆い囲みます。しかし、適切に行われたインプラントと骨の間には上皮は侵入してきません。
この原理を利用したのが、インプラント治療です。

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インプラントと喫煙

外科処置をする時には、喫煙の有無を確認し当日の禁煙をお願いするようにはしています。
しかし現実、タバコを吸えないストレスもかなりあるようで、強要はしていません。喫煙により血流が悪くなり、治癒が遅れることを説明し、あとは患者さんの判断にお任せしています。

Photo 1993年のBainの論文では2000本以上のインプラントを経過観察しています。
ここでは喫煙者と非喫煙者に差があると示されています。しかし、喫煙イコール、インプラント治療の失敗とは結びつきません。
1996年Lindqustの論文では喫煙者と非喫煙者では、インプラント周囲の骨の吸収に差があると報告しています。しかし、これも10年間で0.5mmの差にすぎません。
ただ、条件のかなり悪い時(骨が薄く、骨移植が必要な場合)などは、喫煙による差が大きく出ることも考えられます。骨移植をする時には、より血液循環が重要な要素を占めるからです。

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